栗原邸(旧鶴巻邸/本野精吾設計/1929年竣工/国・登録有形文化財)は、
京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大学)校長を務めた染色家の鶴巻
鶴一の邸宅として1929年に建設されたものです。設計者は同校教授であ
った建築家・本野精吾(1882-1944)。「中村式鉄筋コンクリート建築」
と称される当時最先端の特殊なコンクリートブロック(通称:鎮ブロック)
で建てられた、合理性を追求した建築です。
一方でウィーン分離派やウィーン工房の影響を思わせる装飾的なデザイン
も見られ、モダニズムへの移行期に生み出された独自の建物だと言えます。
2007年にはモダニズム建築の保存に関する国際組織DOCOMOMO Japanより、
優れた日本のモダニズム建築の1つとして選定され、2014年には国の登録
有形文化財に登録されるなど、近年その文化財的評価が高まっています。
建物は老朽化により傷んでいましたが、2011年度より京都工芸繊維大学
大学院の教育プログラムにより、学生とともに修復作業を行ってきました。
この建物は、現在、購入者を探しています。建物の歴史的・文化的価値を
継承し、長く居住もしくは活用してくださる方を希望しています。
この建物の歴史的・文化財価値や修復の成果を広く知っていただき、より
よい継承を実現するため、所有者の栗原眞純氏のご協力により期間を限定
して公開することになりました。多数のご来場をお待ちしております。
公開日時:2017年5月20日(土)・21日(日)・27日(土)・28日(日)
10:00~17:00
所在地:京都市山科区御陵大岩17-2
※京都市営地下鉄東西線御陵駅下車 2番出入口から北方面へ徒歩約10分
入場料:一般1,000円/学生500円(収益は栗原邸の修復費用に充当)
申込み:不要
ギャラリー・トーク:5月21日(日)・28日(日)14:00~15:00
「住宅遺産栗原邸の可能性について」講師:住宅遺産トラスト関西のメンバー
主催:栗原邸保存研究会/住宅遺産トラスト関西
後援:DOCOMOMO Japan/京都工芸繊維大学KYOTO Design lab/古材文化の会
問い合わせ:栗原邸保存研究会/住宅遺産トラスト関西(担当:笠原一人)
E-mail : kasahara@kit.ac.jp / FAX : (075)724-7250
備考:駐車場はございませんので、お車での来場はお断りいたします。
建物および敷地内での飲食、喫煙は禁止いたします。
スリッパ(上足)をご持参ください。
※栗原邸の購入をご検討の方は、住宅遺産トラスト関西(LHD@hhtkansai.jp)
まで。一般公開当日も会場で受け付けます。